大晦日、
俺たちは元旦の初乗りと、
NAKISURF千葉での初売りに向けて、
九十九里の某所にいた。
メンバーは助っ人ツナ君、
そして頭領大西の三人でありました。
「大晦日だから景気よく、
お寿司と刺身で年越しパーティをしよう!」
ということになり、
上総一ノ宮のスーパー「せんどう」で中トロ寿司、
カンパチ刺身、刺身盛り合わせ、マカロニサラダ、
そして寿司盛りをヱビスビールと共に威勢良く買い込んで、
トリオ宴がはじまりました。
(上の画像はそのときの鮮魚売り場にかけられていたもの)
ヱビスビールを「波乗り人15章マグと湯呑み」に注ぎ、
お醤油を各人の皿に落とし、
「2011年さようなら?、乾杯?!!」
とビールをブシュ!
と飲みほしたのです。
全員がお箸を割ります。
そして俺にとってはひさしぶりの、
そして待ちに待った寿司盛りです。
(スーパーのですが)
それは各ネタ九種が、
それぞれ2カンづつという盛り合わせ。
これを分けるのは3人なので、
誰かが食べられないネタもあるという状況だった。
ちなみにその内容とはエビ、玉子、イクラ、
サーモン、中トロ、イカ、カズノコ、
ホタテ、カンパチ。
「あ、俺言っておくけど重度のエビアレルギーだから、
そのエビは遠慮しないで食べていいからね?」
「はい、いただきます!」
と大西は、まずはエビに箸を伸ばした。
ツナくんは、
「あの?、船木さんどうぞぉ」
と言うが、
「いやあ、ツナくんどうぞどうぞ」
「あ。そうですか。それではいただきます…」
と一瞬の迷いも、ひるみもなくカズノコへ。
驚く大西。
パリパリっとカズノコを食べるツナくんに
「だめだよ、最初にカズノコを食べちゃ、
特にこういう時はそれぞれ2つしかないんだから、
遠慮して最初は玉子とかイカとかを食べて、
それからガリを食べて、
マカロニサラダにもいって俺たちを安心させておくと、
『ツナくんは大丈夫だ』
と思って何を食べるか気にしなくなって、
ストーブの向きとかを変えたりするからさ、
そのときにすかさずカズノコを何気なく食べちゃう、
そういうものなんだよ、ここでのカズノコは」
「そうなんですね.。知りませんでした。すいません…」
「謝ることはないよ、ツナくん。
これは知っておくといいということなんだな。
おせちとかもそういうのがあるんだよ。
自分の家のならいいけど、上司の家とかに呼ばれて、
最初の箸で栗きんとんにいって、
それからカズノコでのワンツーはまずいんだよ。
まずはカマボコ、そして黒豆、
里芋あたりを食べて、隙を見て伊達巻きにいって、
それでも平気だったら栗きんとんを少しというのが王道だぜ。
カズノコは食べている音でばれるから主がどうぞどうぞ、
とお皿に盛ってくれるまで手を出しちゃいけないものなんだ。
いきなりカズノコにいくのを例えるとすると、
“歩をはって王手”という禁じ手みたいなものなんだな」
「ツナくん、俺はそう思ってエビからいったんだよ。
それを見習ってくれないと困るなあ(笑)」
.
「す、すいません」
「まあまあ、大西さん(笑)」
「それにしてもこういう時って、
食べる順番がむずかしいっすね?」
「本当だね。かといって、
玉子とイカとマカロニサラダだけでも悲しいしね」
「中トロとカンパチがたくさんありますから、
それをいっていればいいんじゃないですか?」
.
「すいません…. 」
「いやあ、ツナくん謝らないでね。こちらこそごめんね。
でも波乗りでもこういうのってあるよね」
「乗っていい波と、そうでない波ということですか?」
「そう、徐々に佳い波に乗っていかないと憎まれるよね」
「わかります。いきなり入ってきて沖で待たれても困惑しちゃいますよね」
「そうそう、その日一番良い波が入ってきて、
なぜかそのいきなりの人が一番良い位置にいてね、
やっぱりというか乗ろうとして、漕ぐだけバシャバシャ漕いで、
最後掘れているからってやめちゃうことってあるよね。
掘れるからいい波なのに、そこをわかってほしいなぁ」
「わかります。でもそういう人って、たいていまた次の波にも同じことをしますよね」
「そういう人はきっとカズノコを1、2の3で、ひとりで残らず食べちゃうんだよね」
「すいません….」
「ツナくん、エビからだよ、この順番はエビ。まずはエビっすよね」
□
そんな俺たちの年越しでした。
すき焼きとか鍋物も似てますよね。
先日、センパイにすき焼きをごちそうになりました。
「白菜は頭が良くなるぞ」
「そうですか、それでは」
「白滝は胃袋をきれいにしてくれるからな」
「そうでしたそうでした」
「ネギは風邪をひかないと言うね、豆腐はタンパク質のかたまりだからな」
「はい!」
と、決してお肉は勧めてくれないのでした。
□
閑話休題(話は変わって)。
Dセンパイから電話が来て、
「あのよ、そっちでさ、
ブライアンさんが舟みたいなボードに乗ってさ、
みんな感動しているけど、俺もブライアンさんと同じ年だぜ。
それでショートボードでバリバリなんだから、それには感動しないのかい?」
「感動しまくりですよ。センパイの元日氷雨初乗りの一本目やばかったです」
「そぉか?、うれしいね。もう一回言ってくれぃ?!」
「でもあのブライアンの舟は普通の人は乗れないですよ」
「簡単そうじゃねえか、突っ立っているだけだべ?」
「違うんですよ。あれは”刑”というものに等しいです」
「本当か、アライヤとどっちがむずかしい?」
http://blog.nakisurf.com/naki/archives/22497
「アライヤは沈んでいるもので、
あれは浮かんでいるので乗り方が違うので比べられないですよ」
「ふーん、ところであの舟なんて言うの?」
「あれはクークボックスというんです」
「なんだ、ジョエル(チューダー)さんのブランドと同じじゃねえか」
「そこからとったみたいです」
「じゃあさ、そのクークなんたらをこっちに送ってくれよ。
マサモかミネヨコで乗ってみるからさ」
「あのボードは手作りで、買えないんじゃないですか?
もし買えたとしても舟みたいに重いから輸送費だけで10万円以上かかりますよ」
「そう思ってさ、昨日調べたらね、”佐渡のたらい舟”というのがあったんだよ。
俺がそれで波に乗ったら尊敬してくれるか?」
「もちろんですよ。
でもブライアンは歴史的なボードに乗っていて、
それに対してたらい舟では、村おこしみたいで、
あまりインパクトがないんじゃないですか?」
(画像は、にいがた観光サイトより)
「インパクトか…。
じゃあさ、スワンボートに乗ったらどうかな?」
「スワンボートですか?」
「それよ、河口湖とか井の頭公園にあるじゃんよ、
白鳥の頭がボートについているやつだよ」
「おー!あれなら軽くブライアン越えですね」
「ほんとか!わかった。いつか乗るからな」
「お願いします。歴史を作りましょう!
白鳥の頭にハングファイブとかしたら、
軽くサーファーマガジン誌の表紙でしょうね」
「そうだな、スワンで歴史を作ろうぜ!じゃあな!!」
ガシャリ。
□
といつものように電話が切れた。
こうしてセンパイは、
いつかスワンボートに乗る日が来るのでしょう。
俺は何のボードに乗ろうかな?
それではすばらしい週をはじめましょう!
そろそろ福袋が届き始めた頃ですね。
AVISOプレミアム・ゴールドレベルの人気もすごいですよ。
ありがとうございます!
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