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NAKISURFサイドストーリー「カズノコの食べ方とスワンボート」_「俺はエビからいったんだよ」_ブライアンVSDセンパイの軍配は!?_(2943文字)

大晦日、

俺たちは元旦の初乗りと、

NAKISURF千葉での初売りに向けて、

九十九里の某所にいた。

メンバーは助っ人ツナ君、

そして頭領大西の三人でありました。

「大晦日だから景気よく、

お寿司と刺身で年越しパーティをしよう!」

ということになり、

上総一ノ宮のスーパー「せんどう」で中トロ寿司、

カンパチ刺身、刺身盛り合わせ、マカロニサラダ、

そして寿司盛りをヱビスビールと共に威勢良く買い込んで、

トリオ宴がはじまりました。

(上の画像はそのときの鮮魚売り場にかけられていたもの)

ヱビスビールを「波乗り人15章マグと湯呑み」に注ぎ、

お醤油を各人の皿に落とし、

「2011年さようなら?、乾杯?!!」

とビールをブシュ!

と飲みほしたのです。

全員がお箸を割ります。

そして俺にとってはひさしぶりの、

そして待ちに待った寿司盛りです。

(スーパーのですが)

それは各ネタ九種が、

それぞれ2カンづつという盛り合わせ。

これを分けるのは3人なので、

誰かが食べられないネタもあるという状況だった。

ちなみにその内容とはエビ、玉子、イクラ、

サーモン、中トロ、イカ、カズノコ、

ホタテ、カンパチ。

「あ、俺言っておくけど重度のエビアレルギーだから、

そのエビは遠慮しないで食べていいからね?」

「はい、いただきます!」

と大西は、まずはエビに箸を伸ばした。

ツナくんは、

「あの?、船木さんどうぞぉ」

と言うが、

「いやあ、ツナくんどうぞどうぞ」

「あ。そうですか。それではいただきます…」

と一瞬の迷いも、ひるみもなくカズノコへ。

驚く大西。

パリパリっとカズノコを食べるツナくんに

「だめだよ、最初にカズノコを食べちゃ、

特にこういう時はそれぞれ2つしかないんだから、

遠慮して最初は玉子とかイカとかを食べて、

それからガリを食べて、

マカロニサラダにもいって俺たちを安心させておくと、

『ツナくんは大丈夫だ』

と思って何を食べるか気にしなくなって、

ストーブの向きとかを変えたりするからさ、

そのときにすかさずカズノコを何気なく食べちゃう、

そういうものなんだよ、ここでのカズノコは」

「そうなんですね.。知りませんでした。すいません…」

「謝ることはないよ、ツナくん。

これは知っておくといいということなんだな。

おせちとかもそういうのがあるんだよ。

自分の家のならいいけど、上司の家とかに呼ばれて、

最初の箸で栗きんとんにいって、

それからカズノコでのワンツーはまずいんだよ。

まずはカマボコ、そして黒豆、

里芋あたりを食べて、隙を見て伊達巻きにいって、

それでも平気だったら栗きんとんを少しというのが王道だぜ。

カズノコは食べている音でばれるから主がどうぞどうぞ、

とお皿に盛ってくれるまで手を出しちゃいけないものなんだ。

いきなりカズノコにいくのを例えるとすると、

“歩をはって王手”という禁じ手みたいなものなんだな」

「ツナくん、俺はそう思ってエビからいったんだよ。

それを見習ってくれないと困るなあ(笑)」

.

「す、すいません」

「まあまあ、大西さん(笑)」

「それにしてもこういう時って、

食べる順番がむずかしいっすね?」

「本当だね。かといって、

玉子とイカとマカロニサラダだけでも悲しいしね」

「中トロとカンパチがたくさんありますから、

それをいっていればいいんじゃないですか?」

.

「すいません…. 」

「いやあ、ツナくん謝らないでね。こちらこそごめんね。

でも波乗りでもこういうのってあるよね」

「乗っていい波と、そうでない波ということですか?」

「そう、徐々に佳い波に乗っていかないと憎まれるよね」

「わかります。いきなり入ってきて沖で待たれても困惑しちゃいますよね」

「そうそう、その日一番良い波が入ってきて、

なぜかそのいきなりの人が一番良い位置にいてね、

やっぱりというか乗ろうとして、漕ぐだけバシャバシャ漕いで、

最後掘れているからってやめちゃうことってあるよね。

掘れるからいい波なのに、そこをわかってほしいなぁ」

「わかります。でもそういう人って、たいていまた次の波にも同じことをしますよね」

「そういう人はきっとカズノコを1、2の3で、ひとりで残らず食べちゃうんだよね」

「すいません….」

「ツナくん、エビからだよ、この順番はエビ。まずはエビっすよね」


そんな俺たちの年越しでした。

すき焼きとか鍋物も似てますよね。

先日、センパイにすき焼きをごちそうになりました。

「白菜は頭が良くなるぞ」

「そうですか、それでは」

「白滝は胃袋をきれいにしてくれるからな」

「そうでしたそうでした」

「ネギは風邪をひかないと言うね、豆腐はタンパク質のかたまりだからな」

「はい!」

と、決してお肉は勧めてくれないのでした。

閑話休題(話は変わって)。

Dセンパイから電話が来て、

「あのよ、そっちでさ、

ブライアンさんが舟みたいなボードに乗ってさ、

みんな感動しているけど、俺もブライアンさんと同じ年だぜ。

それでショートボードでバリバリなんだから、それには感動しないのかい?」

「感動しまくりですよ。センパイの元日氷雨初乗りの一本目やばかったです」

「そぉか?、うれしいね。もう一回言ってくれぃ?!」

「でもあのブライアンの舟は普通の人は乗れないですよ」

「簡単そうじゃねえか、突っ立っているだけだべ?」

「違うんですよ。あれは”刑”というものに等しいです」

「本当か、アライヤとどっちがむずかしい?」

http://blog.nakisurf.com/naki/archives/22497

「アライヤは沈んでいるもので、

あれは浮かんでいるので乗り方が違うので比べられないですよ」

「ふーん、ところであの舟なんて言うの?」

「あれはクークボックスというんです」

「なんだ、ジョエル(チューダー)さんのブランドと同じじゃねえか」

「そこからとったみたいです」

「じゃあさ、そのクークなんたらをこっちに送ってくれよ。

マサモかミネヨコで乗ってみるからさ」

「あのボードは手作りで、買えないんじゃないですか?

もし買えたとしても舟みたいに重いから輸送費だけで10万円以上かかりますよ」

「そう思ってさ、昨日調べたらね、”佐渡のたらい舟”というのがあったんだよ。

俺がそれで波に乗ったら尊敬してくれるか?」

「もちろんですよ。

でもブライアンは歴史的なボードに乗っていて、

それに対してたらい舟では、村おこしみたいで、

あまりインパクトがないんじゃないですか?」

(画像は、にいがた観光サイトより)

「インパクトか…。

じゃあさ、スワンボートに乗ったらどうかな?」

「スワンボートですか?」

「それよ、河口湖とか井の頭公園にあるじゃんよ、

白鳥の頭がボートについているやつだよ」

「おー!あれなら軽くブライアン越えですね」

「ほんとか!わかった。いつか乗るからな」

「お願いします。歴史を作りましょう!

白鳥の頭にハングファイブとかしたら、

軽くサーファーマガジン誌の表紙でしょうね」

「そうだな、スワンで歴史を作ろうぜ!じゃあな!!」

ガシャリ。

といつものように電話が切れた。

こうしてセンパイは、

いつかスワンボートに乗る日が来るのでしょう。

俺は何のボードに乗ろうかな?

それではすばらしい週をはじめましょう!

そろそろ福袋が届き始めた頃ですね。

AVISOプレミアム・ゴールドレベルの人気もすごいですよ。

ありがとうございます!


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