ライアン・イングル。
NATIONとCANVASをシェイプする若きデザイナーだ。
彼のシェイプボードに関しては、
伝説的なエピソードがたくさん用意されている。
それもノンフィクションでだ。
サンクレメンテの歴史と、
シェイパーの層の厚さが彼をここまで押し上げてきたのだろう。
彼の哲学と、
最先端シェイプマシンAKUが一体となって、
マジックボードを創り出している。
美しいデザインと造形、
クリスちゃんによってCANVASが知られるようになって、
リピーターが後を絶たないというのがその証拠だろう。
難点は大量のボードを抱えてしまっての納期だが、
現在は工場を拡大しながらそれに対応しているので、
こちらも弱点ではなくなる日が近いだろう。
□
さて、モーターサイクル話です。
Shinya Kimuraこと木村さんは、
Azusa山の麓でマニア垂涎のカスタムショップを主宰している。
モーターサイクリストにとっては、
「真の人」
「神」
と称されているのもまた事実です。
俺たちは週末に行き、
宝箱のようなショップ内部を再探訪してきた。
やけに美しいヘルメット。
書体にも木村さんらしさが現れていて、
硬派な文体にレンズが釘付けになってしまった。
整然と並んだ工具がやけに美しく、
ポモナから帰ってきたKrakenくん。
謎の海洋生物で、
これはナゾタコではないというナゾナゾをここにおいておく。
nazoタコについてはこちらを。
http://blog.nakisurf.com/naki/archives/32467
.
氏の美しい工具アート。
Tシャツのグラフィックにしたくなったのは、
俺だけではないはず。
そして、
なんと木村さんが俺に工具箱をプレゼントしてくれました!
それも突然。
驚きうれしくて、
どうしていいかわからなくなってしまった俺。
1950年代の工具箱。
木村さんの書体。
うう、ありがとうございます。
後生大事にします!
1915年のインディアン。
木村さんは毎年これでアメリカ横断をします。
今年バージョンはピストンを替えたら調子がいいのだそうで、
氏のブログで、
先週標高5500フィートにあるクリスタル茶屋まで行っているポストがあった。
http://shinyakimura.blogspot.com/2012/06/1915-indian-at-5500-feet-up-day-9.html
標高5500フィートというのは、
1676mであるので、
100年も前の単車がここに到達するというのは、
ものすごいことなんだと察する。
波乗りで例えると、
ブライアンのボックスで、
バックドアやホワイトハウスを乗るようなものですね。
うーん、すごい。
氏の芸術的な造形作品にただただ見とれる。
.
砂地で100マイルを軽く超えるナックル。
この単車をインスピレーション展で見たとき、
電撃が体を貫いたフラッシュバック。
木村氏の作品が他と違うのは、
「それはよく走る。しかもやたらと速いのです」
とは、謎のX氏。
やさしいノラは、
チャボさんのオリジナルネコ。
□
サンクレメンテに戻ると、
ロボから「来たぞ」というSMSがあった。
「来たか」
と取りに行くと、
「来ていた」
これだけでは何のことかはわかりづらいのだが、
そーです。
俺のプレイング・マンティスが完成したのです。
興奮していると、
カハナ社のラオウがデリバリーのためにやってきた。
そして、
「NAKIのボードももってきていマス」
と言うではないか!
おー!
ここにも俺のプレイングマンティスが!!
いきなり2本!
こんなことってあるのですね。
5’4″ x 19-1/4″ x 2-5/16″ Color Foam
5’4″ x 19-1/4″ x 2-5/16″ KEAHANA(カハナ)
という同サイズ。
違いはカラーフォームかカハナか、
ということ。
今回のプレイングマンティスのお題は、
「同じシェイプで、素材による性能の違いをテストせよ」
という任務らしい。
カハナ素材については、
以下のリンクをご覧ください。
https://www.nakisurf.com/faq/board/keahana.html
Praying Mantis
いよいよ来ました!
カハナボードのチェックをはじめた俺たち。
ラオウによると、
「ラミネートの際にオーブンに入れ、
高温で硬化させるため、
ボードは硬く強く、軽く、耐久性に優れています。
さらにはブランクスのやわらかさは業界随一です。
この全体的なしなやかさと、
太いストリンガーからムチのようにしなるターンを実現させたのデス」
コールシェイプがこの素材を扱いはじめたということは、
コールの理想に近いサーフボードになっているのだそう。
カハナハ、工場の規模も大きいので納期も早く、
ボードの品質(決して外観ではない)もトップレベルということで、
コールはレイルのフォイルと、
エッジを確かめて全てのボードに合格点を付けていた。
それにしてもコールは、
ボードがデリバリーされると、
こうして全てのボードのレイルとエッジを確かめ、
自身が表現したものと同様になっているかを確かめている。
シェイプからグラスやサンディング工程で、
レイルが変わってしまう工場も多いので、
カハナ工員たちの技術が高いことがここに証明された。
そしてコールはまたシェイピングベイに戻っていった。
波に乗りたい。
しかしサンクレメンテは波が小さい。
サンディエゴか?
■