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[感謝祭の午後に訪れたリンコン岬の波について](リンコン岬もう少し詳細)_(2675文字)

[感謝祭の午後に訪れたリンコン岬の波について]

と村上春樹さん風の題名の今日とする。

とすると、

安西水丸さん風の挿絵もあったほうが良さそうなので、

彼と俺の愛する千倉へのリスペクトをこめて描いてみた。

自画像ぽくなったけど、

「絵心なくとも波心」としてみると落ち着いた。

千倉シーキャビンの秋元さん、

サンドカフェの込山さん、

ロスカボスのエリカさま、リチャードさん。

そしてあの方、あの人。

そちらはいかがですか?

すっかり南房総の季節になりましたね。

話が逸れた。

俺にとってのリンコン岬といえば、

生まれて初めて見たトム・カレンに波に乗るイルカの群れ。

この作品は2002年のリンコン岬で、

こうして波面をジャンプしながらそれは長く乗るイルカたちを見て、

「やはりイルカは、ああして波に乗って遊んでいるのだ」

と確信した日でもあり、

(弊社マンデーブログの)ヤザワジュンと一緒に感激した日でした。

https://www.nakisurf.com/blog/showroom/archives/48213

そして、それから10年後。

西うねりの感謝祭日午後に訪れると、

こんなラインナップが眼下に現れた。

濃霧がだんだんと晴れてきた瞬間でもあり、

岬は美しいラインナップを見せていた。

拡大写真を下におきます。

手前は木々に隠れてしまっていますが、

波はまだまだ続きます。

下の写真は北側から撮ったもので、

これもワイドアングルなのに波の全貌が全て写らないほど長く、

永遠に近い波がここにはある。

この壮大なラインナップが見てとれる。

波質は緩いわけではなく、

時に速く、そして掘れ上がり、難易度、

そして精度あふれるセクションの連続がやってくる。

沖の、風で荒れた斜面の中に向かって漕ぎ、

少し飛ばされるようなテイクオフとなった。

レイルを軽く立てて、

飛ばされたときでも横、つまり進行方向に向けるようにし、

膝を入れて、フルサスペンションで波の中に入る。

降りられたらそのまま軽くボトムターンし、

トップまで上がらないように中腹でミドルターンし、

またボトムに降りきらないように中庸なるライン取りで、

その荒れて、大きく硬い斜面を注意しながら速度を上げていく。

ミドルターンを少しパワフルなものにして速度をさらに得る。

繰り返すターンの高低差が増していく。

最初の塊のようなセクションがやってきた。

見渡す限り壁が続いている。

斜面を駆け上がり、

トップで切り返して速度を得たままその長壁セクションに飛び込んでいく。

「奥、いや深すぎるのか?」

という詮索は一切せずにとにかく最高速で斜面の森に飛び込んでいく。

掘れ上がった壁はそのまま弧を描くように丸まり、

穴蔵のように狭く、暗く、

そして冷ややかになった。

そのまま急斜面を下降しながら波の中腹より少し下、

穴の中心になりそうなラインを予想する。

掘れ上がるほど、

より限定的なライディング領域となるのだが、

そこにレイルを高速トリムし、

体を小さくして滑っていく悦楽。

音が消え、そして突然轟音となり、

いくつかの飛び交う水滴に視界を遮られ髪の毛を払うと、

穴がまた弧となって、

斜面が長く伸びていた。

ここから波は挑戦的なものでなくなり、

大きなトップターンやカットバックのラインと重力を楽しんでいく。

ノーズライドもいいし、

ただトリムラインだけで突っ走っていける区間でもある。

そこをも越えた。

次のセクションはリーフとリーフが少し離れているので、

トランジッション(乗り換え)セクションとなる。

ここも手前で十分に速度をつけながら、

緩慢になる斜面を波側のレイルをうまく使って、

前に前に出ていけば、上手につながるだろう。

ここまで来ると湾の中のラップして、

ベンド(手前に曲がった)して、

風の影響を受けていない美しい斜面で、

自分ができる全てを試せる区間だ。

リップが切り立ってくるので、

速度を付けたままボトムターンし、

波のトップにボードをヒットさせて、

前方に前足を押し出すように着水し、

そのままフルターンして、

もう一回同じヒッティングを狙う。

先ほどより速度が出ているので、

波底でのターンを少し深く、

そして膝のねじりを強くして、

ヒッティングまでの時間を遅れさせる。

より切り立ってくるトップが迫ってくる。

その波先を焦げるほど見据え、

ボードを、先ほどと同じように、

そして少し高い打点でヒットさせる。

ボトムが波に当たり

「バーン」という大きな音を立てる。

当たった勢いを使って、

波の前に出てそのまま戻す。

さらに速度がつく。

もう一度同じように、

さっきよりさらに深いボトムターンラインをトレースした。

今度はためずに早めに上昇し、

波の中腹を越えた位置でレイルを右から左に、

左肩を同調させて一気に背中側に倒れるように、

後ろ足を押し出すようにかかと側に、

俺の重み、そして方向、重力の全てをかけていく。

向きが変わった瞬間、あんなに重かったテイルが一気に解放されて、

斜面を駆け下りようとする。

左肩から背中側に弓のようにしなり続けた上半身の限界が来る前に、

右内膝と右足指を一直線にして、

このクライマックスを続けている左側のレイル加重を終了させ、

レイルをフリーにする。

俺は波のパワーポケットのど真ん中に無重力、

そして速度がなくなったままで止まったようになり、

その次の瞬間、落下がはじまり、

レイトテイクオフと同じように右側レイルをノーズまで立て、

体を開かないように小さくたたんで降下をはじめる。

波が上から落ちてくるよりも先に降りて、

また次のセクションを目指していく。

もう中間地点まで来ただろうか。

ここまで来たら浜まで乗って、

歩いて岬の先まで戻ろう。

岸はまだまだ先だ。

.

忘れじのリンコン岬。

また来るね。

快晴真夏日の砂漠地帯。

インターステート・フリーウエイ(州間高速道路)10号線を海に向け、

西行の人になると、

感謝祭週末最終日の大渋滞に巻き込まれた。

華氏87°、摂氏30.5°の真夏日。

平均時速20kmでゆるゆると、

波を想い出しながら長時間進んでいきました。

いにしえの、そしてあの方たちが住むAZUSAにある謎蛸。

途中下車して、

世界一のフィッシュタコを食べたのもいい思い出です。

まだまだ大事な話があるのですが、

それはまたいつか。

サンクレメンテに戻りましたよ。

ブラ師匠にこんにちは!

もうすぐオンザボード誌の発売日。

彼の8ページ記事を手がけました。

今回のインタビューがすばらしいのです。

どうぞお楽しみに!

発売日は30日です。

それではすばらしい火曜日の午後となりますように!

今日は映画を見る日です。

何を見ようかな?


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