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naki's blog

おりょうりすることたべること、なみにのること。〈こどものとも〉傑作集

巨大ハリケーンのフェリシアくんは、

ハワイ島手前で冷たい海水ちゃんと出会い、

更正して低気圧となった。

でもこのフェリシア君は昔の癖が抜けなくて、

大風で威圧しながら大粒の雨を

「クヌヤロー!俺たち自然をなめるなよ、

ちょっと前はもっともっと悪かったんだぞ!」

と少し荒れています。

こんな絵本があったら子供は読むかな?

と考えていた大雨のノースハワイの船木です。

みなさんの小さいときに好きだった絵本は何でしたか?

俺は「ぐりとぐら」がだんとつに好きで、

小学2年生のとき、この絵本をレシピとしてカステラを作ったのだが、

できたのはカステラでなく、

できそこないの卵焼きだったという過去を持っております。

なぜそんなことを考えていたかと言いますと、

昨夜、「ぐりとぐら印のカステラ」があったらいいなあ、

とその夕陽色のふわふわケーキを思い浮かべながら睡りますと、

夢の中に、例によってD先輩が登場したのです。

「なんだまたドドゲ先輩の話ですかぁ」

と言われるのでしょうが、見てしまった夢は仕方ない。

そしてこの悪天候に沈む気持ちを持ち上げようと、

「ぐりとぐらオリジナルストーリーの番外編」

を書いてみようと思い立ったのです。

ではドーゾ!

お料理することと、

食べることが大好きな野ねずみのぐりとぐらは、

森へでかけると、自分たちよりも大きなたまごを見つけます。

このたまごで何を作ろうかと、あれこれ二ひきで相談し、

「あさからばんまでたべても、まだのこるくらいの大きいかすてら」

を作ることにしました。

でもたまごは大きすぎて、家に持って帰れないので、

一度帰って材料と道具を持ってくると、

たまごの横にいたのは

クワガタを獲りに森にきていたD先輩こと、ドドゲの三浦さんでした。

.

.

.

「この おおきいたまごは きみたちのなの?

それを おじさんに くれないかな?

このからを つかって しょーめんに

ふたつの ぱらそるを たてたいんだよ へへー」

「あのー、いやです」

と、ぐりは いいました。

「ぼくたちは かすてらが たべたいのです」

と、ぐらは いいました。

.

「それならおじさんが、銀座ぶんめいどうの かすてらをやまほど かってあげるよ」

「ぎんざ だよ」

「ここから とおくて こうきゅうな ところだよ」

と、どどげせんぱいは つけたしました。

「うーん」

ぐりと ぐらは うでぐみをしながらかんがえました。

「ぼくたちは 福砂屋のかすてらのが すきなんです」

と まにあっくな ぐりとぐらです。

「じゃあ そのふくさやのを かってあげるな」

と どどげせんぱいと ぐりとぐらの しょうだんせいりつです。

それから みんなで そのおおきなたまごを

どどげせんぱいじまんの けいじどうしゃに

つもうとしましたが、たまごが おおきすぎてはいりません。

ぐりが ぽんと てをたたきました。

「おじさん、やっぱり ここで かすてらをつくれば いいんだよ」

「それはいいかんがえだ」

ぐらも ぽんと てをたたきました。

どどげせんぱいは、このおおきなたまごを

そのまま しょーめんに もっていって

ともだちたちに どーだどーだ!

と、じまんしたかったのです。

でも せに はらはかえられない

という ことわざを つかおうと おもいましたが、

のねずみの ぐりとぐらには わかるまい。

と こんどは、このあいだ しんぶんでよんだ

てんせいじんご にあったことばを おもいだしていました。

そこには、

「そなえあれば うれいなし」

と じしんと たいふうの さいに

そなえたことが きょうくんとして かかれていました。

「そうだ!」

と どどげせんぱいは てをたたきました。

「この ねこ(いちりんしゃのこと)で、

しょーめんまで ひっぱっていけばいんだよ。

その いちばんおおきなおなべを

このけいじどうしゃに のせて、

むこうで かすてらを つくろうな、な、な」

と ぐりとぐらの りゅっくさっくと、いちばんおおきなおなべを

けいじどうしゃに つんでしまいました。

ぐりとぐらは

「しかたがない。それでは このねこを ひっぱって いこう」

「ふたりで おして いこう!」

と おぼんやすみで だいじゅうたいちゅうの

はっぴゃくえんになった あくあらいんを とおり、

しゅとこうそくと よこはましんどう をあるいて

しょーめんに つきました。

ちゅうしゃじょうの かとうさんに わけをはなして

ばしょを かしていただきました。

どどげせんぱいが もっていた じごくの

はんまーで おおきなたまごを わって

おなべに ばたーを よく ぬって、

ぼーるの なかの ざいりょうを いれて、

ふたをして、 かまどにかけました。

ぼくらの なまえは ぐりと ぐら

このよで いちばん すきなのは

おりょうりすることと たべること

ぐり ぐら ぐり ぐら ♪

「あのー おれの なまえも いれてください」

と、どどげせんぱいが いうと

やさしい ぐりと ぐらは

「じゃあ このうたを ばんがいへんに します」

と、かしを すこしかえました。

.

ぼくらの なまえは ぐりと ぐらと どどげさん

このよで いちばん すきなのは

おりょうりすることと たべること なみにのること

ぐり ぐら どどげ ぐり ぐら どどげのげ♪♪

どどげせんぱいは いつのまにか

もおりすの ぎたーをひいて うれしそうに

ていおんの ぱーとを うたっています。

.

「かすてらを つくっているんでしょう!

とっても いい においがするもの」

と しちりがはまじゅうの さーふぁーが、

はなを うごかしながら、あつまってきました。

そうとも、かすてらづくりの ぐりと ぐら

みんなに ごちそうするから

どどげさんの ぎたーを きいてまっててね。

.

ろーかるさーふぁーも

びじたーさーふぁーも

みんな なかよく うたをうたいながら

おいしい かすてらが やけるのをまちました。

.

「さあ、できたころだぞ」

と、ぐらが おなべの ふたを とると、

まあ! きいろい かすてらが、

ふんわりと かおを だしました。

「うわあ、おいしそう!」

みんなは めを まるくして、かんしんしました。

.

その かすてらの おいしかったこと!

あとにのこった あのとっても

おおきな たまごのからで、どどげせんぱいは こうやくどおり

しょーめんに ぱらそるを ふたつ たてました。

それからというもの、

ろーかるも びじたーも みんなで いぜんよりも しあわせに

なかよく なかよく なみにのりました。

そうだ、その ぱらそるに ひょうごを かいたのですよ。

みぎがわのぱらそるには、

「わざは にのつぎ なみのりは みんな たのしく たのんます」 と、

ひだりがわのぱらそるには、

「たまには みんなでまっすぐのろうぜ そしたら いちどに おおぜいのれるから」

このひょうごに みんなにっこりと うなづきながら

それからも さらにたのしく なみにのりました。


16 thoughts on “おりょうりすることたべること、なみにのること。〈こどものとも〉傑作集

  1. chiemon

    懐かしい~♪♪
    です。
    ぐりとぐらは、ロングランですね??

    そしてばんがいへん物語も心温まります~ww
    特にひだりがわの標語に、うんうん一人うなづきました??

  2. Sヘイ

    自分自身のノスタルジックな思い出には登場しませんが、
    自分の6歳になる子供には、幼稚園年小期に
    何度も何度も夜通し読み聞かせてました。。。

    そんなグリグラのかすてら作りが、まさか話題に上がろうとは。
    胸がキュンとなりました。

    標語のまっすぐ乗ろうぜ編。
    深いですね。

  3. reisui

    ぐりぐら、懐かしいぃ~

    本の表紙、手書きのD先輩と、
    おれの「れ」のハネ部分(これは「わ」か「と」どっちからとったハネなんだろう)が気になり、
    じっくり見てしまいました^^

    私が好きだった本は・・・
    ・はらぺこあおむし
    ・のんたん おねしょでしょん
    ・ヘンゼルとグレーテル
    です♪

  4. ぺどろ723

    むかし むかし、
    みっちゃんと きんちゃんという
    なかのよい おともだちがいました。

    ふたりは いつもひがしのいわばで、
    たいようが あがるまえから
    なみにむかい、どっちがはやく
    うみにはいったかを しょうぶしていました。

    そのころ、みっちゃんは なみのりの 
    たいかいで かつやくをしていて、
    それは まるで 
    きょくげいのような さーふぃんをしていました。

    きんちゃんは とおくからそれをみて、
    いつかじぶんも あんなふうに 
    なみにのってみたいなーとおもっていました。

    そのころふたりは、ひがしのいわばのことを
    みっちゃんず とよんでいました。

    みっちゃんが はやく はやく 
    うみにはいりたいので、
    いわばのどうくつにすんでしまいました。

    それからの しょうぶは とうぜん
    みっちゃんが ぜんぶ かってしまったので、
    それからは みっちゃんずと なまえをつけたのです。

    しかし、みっちゃんとの わかれのときがきました。

    みっちゃんは
    とおい とおい くにへいってしまう というのです。

    そこは、ひがしのいわばよりも 
    もっともっと すごいなみがくるところだと
    きんちゃんは ききました。

    きんちゃんには そのなみを そうぞうできませんでした。

    ここでもすごいのに、もっとすごいところが
    あるのは ゆめの またゆめ だとおもっていました。

    でも、みっちゃんは ゆめをおいかけて いってしまいました。

    さいごのひに、みっちゃんは ひがしのいわばでいいました。

    ここのなまえを これからは きんちゃんずに かえましょう!

    いつかわからないけれど、またかえってくるから、
    といっていなくなってしまいました。

    ところが、きょねんいきなりかえってきて、
    そのとしのいちばんいいなみのひに
    すごーく ちいさなくろいいたで 
    それも そのひの いちばんいいなみに 
    「ぜひー」と わらいながら 
    ふかい ちゅーぶに はいりました。

    そして、ひとびとは そのすごさを
    おもいしって、そのひがしのいわばの
    なまえは けっきょく みっちゃんずにもどりました。

    めでたしめでたし。

  5. 三平ウニョカフェばにーぜひー

    ぐりとぐらを読み、ほのぼのとなり、みっちゃんときんちゃんを読み、涙しました。

    なんでお盆休みに、童話?を読んで涙してしまうんだろう??

    とても幸せな気分です!

    ありがとうございました。

  6. げんげん

    いつも楽しく読ませていただいています。

    「ぐりとぐらとD先輩」すばらしいエンディングでした。
    実際に自分の通うメジャーポイントにこの標語ぱらそるがあったら・・・、かならず海に入る前に、みんな一度笑顔になってから、やわらかい気持ちでサーフできることでしょう。
    コメント欄の「みっちゃんときんちゃん」切なくてあったかいお話(ほぼ実話ですか?)ですね~
    胸に沁みました。
    いいお盆になりそうです、ありがとうございました。

  7. Fg

    フナキさんとぺどろ723さん(きんさん?)の2童話シリーズいいですね?
    みなさん、言われてる通り和みました。
    次作もぜひ?

  8. naki Post author

    chiemonさん、
    コメントありがとうございました。
    ひだりがわの標語、大好きなひとつです。

    みんなで楽しく波に乗れる日はすぐそこに来ていますね。

  9. naki Post author

    Sヘイさん、
    このかすてら作りは伝説に近い話だと思っています。
    小さい頃に、このカステラをどんなに食べたかったことか。

    まっすぐ乗って、同時に何人乗ることができたかのギネス記録に「ちょうせん」したく思っております。

  10. naki Post author

    reisuiさん、
    「おれ」の『れ』は、「わ」から取って、逆さにしました。
    へへー。

    次点には

    「どろんこハリー」

    でした。

  11. naki Post author

    ぺどろ723さん、

    なつかしくて うれしくて なみだがでてきました。

    せんしゅうの きんちゃんずで、
    「ちゅーぶにたくさん はいっていました」
    と、うみかふぇ・いっぺいくんに ききました。

    だから ひがしのいわばは きんちゃんず ですよ。

    へへー。

  12. naki Post author

    三平ウニョカフェばにーぜひーさん、
    温かいコメントに幸せになりました。
    次はウミカフェが舞台の脚本を書きますね。

    「ウミカフェ1984」

  13. naki Post author

    げんげんさん、
    はじめまして(ですか?)
    コメントありがとうございます。

    本当にみんなゆったりとサーフできるようになるといいですね。
    私もそうでしたが、「モーレツになサーフするように」と洗脳されていました。

    昨今、クリスちゃんが現れたりして、のんびりモードというサーフスタイルも主流となりつつあるので、こちらに期待したいです。

    ありがとうございました。
    よいお盆にしてくださいね。

  14. naki Post author

    Fgさん、
    ありがとうございます。

    きんちゃんには泣かされましたよ?!
    次回作は「日本海のだるまちゃん」です。
    ズバリ!(丸尾くん)

  15. げんげん

    コメントにお返事ありがとうございました。

    実はコメントは2度目でした。
    最初はステッカープレゼントの時です、大変ご無沙汰ですみません。
    北海道でBD3 5’2”に乗らせていただいているものです。
    その後もとっても楽しませていただいています。

    p.s.今日もまた、童話を読み返して幸せになってしまいました(^-^)

  16. naki Post author

    げんげんさん、
    そうでしたか!
    申し訳ないです。
    北海道でわかりました!
    でもこれで3回目となるわけで、
    これからもよろしくお願いします。

    夏の北海道はすばらしい季節なのだろうと思います。

    またいつでもお越し下さいね。
    お待ちしております。
    ありがとうございました。