naki's blog

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2010年01月31日(日)

トレーダージョーズのサラダばかり食べています_イチなる夕陽_ジミヘンからドノヴァンとなり、そのルーツはサンクレメンテ・ピアにあったようだ_文化的サーフィングライフ_『inspiratin』の主催でもある天才リンタロウさん_カフェヒロ!!_(1905文字、短編です)

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こんにちは、

もうイナリーズ波が恋しい船木@サンクレメンテです。

波乗りと、ミーティングの合間には、

大好きなトレーダージョーズに行って、

サラダランチをしています。

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サラダはセレクションが増加して、

こんなにすごいラインナップとなっていて迷います。

好物の『ほうれん草サラダ』がディスコンティニューとなったようで、

それが寂しく、少しショックでした。

サーモンサラダと、玄米カリフォルニアロールを選んだんですよ。

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こんな夕陽は大陸ならではで、

なんだか大きく強く感動していたら、

犬の散歩をしている妙齢の女性が、

「あなたはラッキーよ。毎日ここを見ているけど。こんなにきれいな日はあんまりないもの」

と声をかけてくれて、その幸運に自身でもうっとりとする。

2010_San clemente_V8001

「ださい他社が真似しているぞ」

とHOKUさんから指摘があったオリジナルボードケース、

つまりMILSOLボードケースを見ていると、

色々なことを思い出します。

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ジミ・ヘンドリックスのツアーに行った夢を見ていました。

俺はステージの袖で彼の写真を撮りながら

「これは歴史的なことだ」

と何度も確信しながら、

自分に言い聞かせてシャッターを押していた。

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サンクレメンテ・ピア。

そういえばドノヴァンを初めて見たのがこのサンクレメンテ・ピアだった。

それは今は昔の1989年のことで、それは今から20年も前のこととなる。

その彼は今はNAKISURFのチームライダーで、

そんな縁もあるのだから人生は不思議だ。2010_San clemente_V7961

月がきれいな夜もじっくりと通過し、

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御宿で、潤ちゃんにお借りした、こんなやわらかなフレックスフィンを弊社で発見し、

これをキャッチサーフのデフォルトセッティングにしたらどうだろうか?

と提案していたNAKISURFオフィス内。

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夕方LAから帰ってきたリンタロウさんのスタジオに行き、

2月11日から始まる『inspiratin』の色々を聞いてきました。

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ギターマニアのリンタロウさんは、

ものすごいマニアなギターを持っていて、

様々なお話に感銘を受けちゃいました。

やはり「一流」と呼ばれる人は違いますね。

「ロックンロールは28才まで」

これこそが名言だと共鳴しました。

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ビームスの窪さんつながりでもあるふたりの2ショットを撮っていただき、

RIN STUDIOを後にしました。

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そういえば昨日ドッキー(DOC)夫妻と行ったのが、

世界一だと思っている名店カフェヒロです。

ベジタブルチャウダースープに、

R0017130ドッキー夫妻が持ち込んだすばらしいスパークリングと、

白ワインに夢心地になりながら、

ヒロさんをはじめとするみんなの笑顔をからめて、

リコッタチーズの前菜、

大根とキノコのスパゲッティーニ、

イワシのグリル、

ベイクド・タケノコ、そして、

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「銀だらの海草蒸し」

これは銀だらを海草の塩味だけでほんのりと味付けした生まれて初めて食べる銘品。

海の深みが凝縮されていて、

それでいて、誘われたらこのアルミホイルの中に横たわってしまいそうな天国風味でした。

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熟成リブアイのガーリック醤油味。

オーブングリルでカリっと、

そしてしっとりと焼き上げています。

大根とタケノコの付け合わせのハーモニーも楽しみました。

リブアイの濃厚で豊穣なお味にうっとりとし、

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最後は『バナナクリーム、

チョコレートムース、クリームパフ、

スイートチェスナッツ、ペストリーパフの5品デザート。

あまりのおいしさに全員が溶けてしまいました。

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うれしいうれしいディナーでした。

ヒロさん、本当にありがとうございました。

新味が増えていて、なんだかまた拡がりをみせていますね。

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カフェヒロはタイガー・ウッズの出身地サイプレスにあるんですよ。
Cafe Hiro.

PHONE # (714)-527-6090

ADDRESS: 10509 Valley View St. Cypress, CA, 90630

NAKISURFの公式レストランはここだけなのです。

重要なVIPを招くときはいつもここなのです。

アンバーのバレー衣装を拝見させていただき、

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ドッキーから新作『NEWND-E1」という一眼カメラの機種みたいな名のサーフボードを受け取りました。

明日が楽しみです。

カリフォルニアに来るといつも思うのが、

「サーフィングは文化」だということ。

ノースハワイだと、

「サーフィングは生活」となってしまいがちですが、

こちらの人はうまくその波乗り風味を文化にまで熟成させているのだなあ、

と感動しちゃいました。

日曜日の今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。

原宿ショールーム、今日もオープンしております。

どうぞまたお越し下さいませ。

すばらしい日曜日にしてくださいね!

See you soon!


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2010年01月30日(土)

虹を見ながら深夜フライトのち、コールとキャッチサーフ_「サンクレメンテが見渡せる夕陽が丘」近くのNAKISURFオフィスです_(なぜかゾロ目の2222文字_短編です)

深夜4時のロスアンジェルス上空。

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おはようございます。

深夜飛ぶ『レッドアイ・フライト』でカリフォルニア州にやってきました。

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出発前はこんな大きな虹が架かり、

さらにはガラガラの機内でゆったりフライト。

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誰もいないから通路でキャッチボールができそうだけど、

その相手もいませんでした。(冗談ですよ)

着陸の際の高度の変化でぺっしゃんこになった水のボトル。

体にもこのように負荷がかかっているわけですよね。

フライトは大変なんだなあ。

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到着後、すぐに弊社柳瀬とサンクレメンテの大好きな朝食カフェにやってきて、

ブレックファースト・ブリトーに

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俺は「ベジタブル・クレープ」を注文しました。

炒り卵、ピーマン、タマネギ、オリーブ、モッツレラチーズが入って、

フルーツカップが付いてきます。

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ダークローストのコーヒーをいただきながら

色々なことをミーティングしていた。

その後、コールに行き、こちらも色んなことを話しました。

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スリングショットの秘密、

ファイヤーブレード誕生まで、

現在世界選手権選考会コンテストで、

コロヘ・アンディーノがグラスホッパーに乗って勝ち進んでいること。

他にシェイプの色々、納期について、

仕上げの工場の問題について等々を話しました。

詳しくは後日各トピックを立ち上げて書き出しますね。

約束の時間が来たので、次はキャッチサーフに。

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キャッチサーフは先週フロリダで行われた

『サーフエキスポ2010』に初出展を果たしました。

そうしたらものすごい数の注文が入り、

工場員総出で製作が行われていた。

(キャッチサーフはMade in U.S.A.です)

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これはその大人気を率いるトップのビーター(Beater)のラックで、

こんなに大賑わい、このラックが3つもあったんですよ。

ここには仕上げ、プレスという作業場があったが、

そこで頑強なアメリカ人が真剣にスポンジボードを作っているというのは。

いささかアンバランスで、それがこのキャッチサーフの良さを物語っているのだろう。

などと、大音量でクイーンとナヴァーナの楽曲がかかった場所で思っていた。

写真も撮ったのですが、「この製作現場は内密にクダサイ」

とキャッチサーフ主宰のジョージに言われ、

ここでの掲載を控えますが、

なるほど2台あった大きなプレス機は特別製であることをにおわせていた。

キャッチサーフはあのモーリーブギーの祖、

トム・モーリーが製作監督ということもお伝えしておきますね。

そうだ、スタッフブログにもありましたが、

NAKISURFから「フィンボックスをFCSで」

という要望を出していたのですが、

「それが完成しました」

と大喜びのジョージ。

「それでサーフエキスポ2010に間に合ったのデス」

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と見せてくれたのは、

「普通に乗れるソフトボード」として人気のYクアッド。

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かなり精度の高いフィンボックスで、

『FCSフィン』ならどんなものもバッチリ装着できます。

写真でもおわかりですが、ボックスがボードより少々出っ張っていて、

それを指摘すると、

彼らは全くフラットバージョン(フラッシュ)と、

この出っ張ったバージョンの2つを製作して、

ライダーたちに目隠し、というかどっちがどっちかを知らせずに、

膝波、そして頭波でテストライドし、

どちらも同等、同速という結果を得て、

この強度、耐久性のより高い、

出っ張った方が採用されたという経緯だそうです。

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次にセールスマネジャーのジョエルが出してきたのが、

10’6″のSUP(タチアガリ)。

大人4人が一緒にサーフできるほどの幅と厚みの浮力モンスターであった。

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これもアメリカのSUP流行を受けて、大人気なのだそうです。

この柔らかなボードでSUPというのはある意味、王道なような気もします。

潤ちゃんいかがですか?

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純城が「マカプー用にフィンレス・ビーターを乗りたい」というので、

俺がピックアップしました。

『フィンレスビーター』はキャッチサーフの主役で、

ボディボードの手軽さと、サーフィンの醍醐味がミックスされた乗り味なんです。

それにサーフィン禁止の遊泳エリアでも波乗りができるというのだから、

家族で海水浴に行くときに持って行くと、

お父さんとお子さんが退屈しないで一日過ごせるのですね。

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「そんなこともアメリカで大人気となっている理由だろうな」

と思いながら、さまざまなブラッシュアップアイディアを出し合い、

予定の一時間を大きく過ぎてしまうミーティングでした。

R0017106キャッチサーフをお楽しみに。

ゆるさ、いや柔らかさが魅力のサーフボードなんですよ。

このNAKISURFのオフィスがアーバインからサンクレメンテに引っ越したので、

そこに行き、スタッフの色々の作業や仕組みを見て、

外に出ると、すごいサンセットとなりました。

社の前でカシャリ。

20100127_California_SC_V7478

みなさんもサンクレメンテにお越しの際はお寄りください。

コールまで8分、

キャッチサーフまで3分、

ロストまで10秒、

サーフプレスクリプションズ(DOC)まで45分、

AVISOサンクレメンテまで3分、

トレッスルズまで8分、

王子邸前まで7分、

という利便さです。

お越しの際はコーヒーでも飲んでいってください。

(コーヒーメーカーはあったかな?)

たくさんのサーフボードを在庫してもおります。

お越しの際はshop@nakisurf.comまでお知らせ下さい。

グーグルマップでご案内しますね。

そうだ、この「サンクレメンテが見渡せる夕陽が丘」までは5分なんです。

20100127_California_SC_V7481

さて、サンクレメンテの初日はこのように過ぎました。

これからドッキー夫妻とディナーです。

新型ボードや、レイル、フィンの考え方を聞いて勉強してこようと思っています。

どうぞみなさんもすばらしい土曜日をお過ごしくださいね。

今日もありがとうございます。

夕陽にもありがとう。

Mucho Aloha!


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2010年01月29日(金)

20ft@15sec_のんびりターンの効力_啓発と発火_行ってきます〜_(1350文字_短編です)

2010_inaris_T6463

こんにちは、

一番ブイは今朝20ft@15secを達成しました。

波の連続に次ぐ連続で、体の休まる暇がない。

ただ、その最大ブイ計測値を最後にサイズはワインディングダウン。

現在は「12ft@14sec」と、かなり下がってしまった。

波情報提供の予想だと、「まだまだサイズが残る」ということでしたが、

実際にはあっという間にサイズダウン。

海って、いつも本当に不思議です。

2010_inaris_water_V6160

珍しく、ソフトサンドに雨が降ったようで、

ぬるりとオフロード・ドライブ。

スリップするので、タイヤの空気圧を30psiまで下げちゃうのがコツです。

ソフトサンドは、ハイウエイから往復16kmあるので、

かなり長い距離のぬかるみを走るんですよ。

R0017025

今日は空港に行く日なので、

軽く短時間だけサーフしてきました。

ソフトサンドに行ったのですが、

見た目がパーフェクトで、

実際には流れがすごく、

パドリングを全力でしても、そこにとどまることはおろか、

吸われていくまでの時間稼ぎでしかなかったようだ。

この流れは奥へ奥へと持っていかれるハレイヴァ(ハレイワ)方式で、

奥に行ってしまうと、恐ろしいセットのピークがやってきたりするので、

インサイドに戻りたいのだが、戻れないという恐ろしさがあった。

(同じく、乗らないと岸にも戻れません)

P1140027

純城から電話があって、「ロイ・パワーズとイナリーズに行くよー(かも)」

という内容だったのだが、

タイミングが悪く、それは実現に至らなかったが、

後日ぜひ!と落ち着いた。

下の写真は何日か前の小さい日に撮っていただいたもの。

「ごゆるりトップターン」

をして、その写真を見ていると、

やはりこころがのんびりとするようで、

なんだか気持ちが健康になるようですよ。

20100125_softsand reef_naki_V7223

美しい波、今は冬だからこうした波が見られるけど、

夏になると、全域フラットになってしまうのもドラスティック(激烈な変化)でいいなあ。

20100126_Softsand_V6825

そういえば、昨日書いたブログに対して、

http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/10040

『冬のハワイ波の実際』

.

勇人さん、WANGちゃん、愛梨ちゃん、かたやん、小松さん、

きんちゃん、ドッキー、ANちゃん、ぜひ教トムくんたちより、

ありがたい文面をいただきました。

例えば、こんなすばらしいのがありました。

「昨日アップされたブログ、

表現が素晴らしすぎて感動しました!

波乗りをしない人達にも分かりやすいし、

もっともっと一般市民の方々がこういう文章を読んだり写真を見ることによって、

サーフィング/サーファーの奥深さ、

凄さ、難しさ、素晴らしさが理解され、

全体的な印象/イメージも一般社会の人達にも良くなるんではないかと思いました」

.

俺も同じく、サーファーたちの全体的な印象とか、

私たちを取り巻く業界を大きく、正しく拡げようとしているので、

こうしたしっかりとしたお考えを持った『仲間』がいるのは心強いと感じました。

同じ方向を向いていないと啓発も発火もできないけど、

同じ向きなら深く同調してしまうのはいつの世も、どの世界も一緒ですね。

いつもですが、感謝です。

R0016956

ということで、空港に急ぎます。

おっと、そちらは金曜日でしたね。

すばらしい週末にしてください。

今日もありがとうございました。

明日からは新展開です。

お楽しみに〜。

行ってきます〜!


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2010年01月28日(木)

冬のハワイ波の実際_「視界全てに波の湾曲を入れ込み、 水の上で加速していく重力を自分だけの力で得る遊び」_(5550文字_中編です)

2010_inaris(WM)_V6222

おはようございます。

北西ブイはまたぐんと上がっています。

19.7ft@15sec./WNW305º

と15秒越えのほぼ20フィートサイズのうねりがこちらにまた向かっています。

このうねりは日本の北からきたもので、

きっとみなさんが7〜8日前に凍えたあの低気圧からなんです。

イナリーズ予想は「ゴジラ波」で、潮によっては「キングギドラ」も混ざり、

ソフトサンドリーフは1000%の確率でクローズアウト。

軽く、背丈5〜6倍の12から15フィートオーバーでしょう。

波情報には”Surf will rise to heights of 25 to 35 feet today.”

とあって、やはりものすごい波数字が表示されていた。

ハワイ北海岸にいる方はどうぞお気を付けて、

早川さんたちはもういらっしゃらないけど、

また戦慄の日がやってきましたよー。

本当にみなさん、お気を付けて。

飲料を買おうとしていると、ジリリリーンと携帯が鳴った。

「へへー、俺です」

「あっ先輩、お元気ですか?」

「今ね、スカイプにかけたらここにかかったけど大丈夫?」

「大丈夫ですよ、どうされましたか?」

「あのね、そっちに行ってあの波に乗りたいんだけど、

色々聞いておこうと思ってさ」

「いいですね〜。いつ頃ですか?」

「2月か3月だね。その頃はソフトサンドリーフはどうなの?」

「よくご存じですね、最近いいですよ」

「WANGちゃんがさ、”あそこならぼくにも乗れます”と言っていたから

イナリ(ーズ)よりもやさしい波なんだってね」

「えー!?波質はやさしいのかもしれませんが、イナリーズと例えると、

ゴジラ対巨大宮本武蔵みたいなもので、異種格闘技というか別の波ですよね」

「君の言うことはいつもわからないんだけど、

その武蔵は宮本村の新免武蔵(たけぞう)なの?」

「おーバガボンドですね!先輩は何でもお詳しいです」

「菊一文字はグラスホッパーでしょ、あれ?俺たちなんの話をしていたんだっけ」

「波の話でした」

「そうそう、その波だけどさ、どうなの実際は?」

「いい波ですよ。めちゃくちゃいい波で特級Sクラスです」

「怖いことなんかないの?」

「いやあ、そりゃいい波と同量以上の怖いことはありますよ」

「例えばね、

あんまりしっかりサーフしていない人が入ろうとしたら君は何を教えてあげるの?」

「入らないほうがいいということでしょうか。

でも海を見たら絶対入る気になりませんよ。ものすごい速度でうねりは動いていますし、

沖でブレイクすると、その振動が浜まで、ズドン、ズドーンってありますもん」

「やっぱそんなにすげえんだ。じゃあもし俺があの日にサーフしようとしたら何を気をつければいいんだい?」

「まずはダブル近いショアブレイクを越えなくてはなりません。これにひっかかちゃうと、もうお陀仏です」

「堪忍してくれよー、他のところから出られないのかよ。

写真を見ると、穏やかなところあるでしょ、あそこからじゃだめなのかい?」

「あそこは流れが全てドライリーフにいっちゃうんですよ。そこに吸われちゃうんです。

あそこは水深ゼロから10cmでヤバイですよ」

「お前な、俺をビビら(驚か)せようと思って作り話しているべ?」

「全て真実ですよ。100%本当の話です。

あのリーフの切れ間を境に、流れが全てドライリーフの内側方向に吸うんです」

「君が去年やられた波の話があったけど、そこなのかい?」

http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/3900

「そうです。そうでした、あれはもう最悪でした。軽傷で済んで良かったのですが、

結局傷口が化膿してしまい、全治3週間くらいかかったんですよ」

「でさ、もしショアブレイクを越えたら何が表れるんだ?」

「インサイドの分厚いスープです。泡の山がゴーって押し寄せてきます。

で、海面だけに流れが入ってしまって、かなり進まないです。あそこは」

「ドルフィンは効くの?」

「ほとんど効きませんが、とりあえず一生懸命深く刺します」

「泡に幅があるって、どこかに書いてあったけどあの日で何mくらいあったんだい?」

20100121_softsand reef_naki_T6977

「高さが3mくらいで、厚みが5mくらいでしょうか」

「嘘だ、そんなのに分厚ければ喰らったら終わりでしょう」

「そうなんです。結構スパルタですよね。でも波間隔秒数が12秒を越えたらすごいですよ」

「ふーん、12ね、まあいいや、それを越えると?」

「深くなるので、しばらくパドリングがめちゃくちゃ速くなります。

具体的には沖に向かって猛烈に進みます。

このときは躍進とか、歓喜とかという言葉が出てきますよ」

「でもここにも波が割れる(崩れる)んだろ?」

「はい、あの日はうねりにまとまりがなかったので、入ってきました」

「深いところでブレイクするとどうなるんだ?」

「浅いところに比べて、放出が少ないので、割と弱いですが、

厚みがさらに増すのでひっかかっちゃうとなかなか(海面に)上がりませんね」

「板捨てて潜るんだろ?どのくらい潜るの」

「3mくらいでしょうか」

「お前ね、人間そんなに潜ったら水圧で目玉飛び出しちゃうでしょ、

そんなに潜っているわけないだろ、本当のことを言え」

「さっきも言いましたが、全て100%本当ですよ。もし目の前に山みたいな波が来たら、

先輩でも100mくらい潜ってキンメダイを捕まえて帰ってきますよ」

「それは嘘だべ?」

「はい、これは冗談です」

「怖いこと言うなよな、こっちは本気にするじゃんよ。

でね、潜った後は何をしているの?ボードが付いているけどそれも一緒に潜っているのか」

「泡の下を潜り、波の後に出た感覚があったらいいんですが、そんなのは稀で、

だいたい潜っている途中で、リーシュの足がガン!って痛くなって、

それから波の中に持っていかれちゃいます」

「巻かれちゃうんだ」

「そうです。巻かれちゃいますが、これは上がりづらいだけで、

そこまで深刻ではないので、あまり何も考えないように、

学生の頃の授業中みたいな無心になっているとそのうちに浮かんできますよ。

そうしたら海面に向かって泳いでください」

「まだ泳ぐのかよ、もう息が続かなくなった時はどうすればいいんだ?」

「息を続かせてくださいね。でないと大変なことになりますから」

「お前、俺に復讐、いや天誅を加えようとしているべ、何様だと思っているんだ」

「でも沖に出たいのは先輩ですからね」

「まあ、そうだ、で次はどうなるんだ?」

「たいていはもう2〜3発同じような、もしかするとさらに大きいのが来ています」

「やべえな、でもそんなに都合良くというか、波は俺のことを懲らしめようとするか?」

「はい、ほんとやばいです。でもセット波って、いつも3本以上でやってきませんか?

あっ、そうだ、この時は泡が海面を覆っていて、上がってきてもすぐに息は吸えませんし、

上がってきてもすぐに流れで海底に引き戻されるのが怖いですよ」

「そんななのか〜、海はやばいんだよ。こういうときによ、お盆の時に波乗りしたバチが当たるんだよな」

「そしてそのセットが行くと、今度は沖に向かって、ラインナップというピーク付近に陣取るのですが、

ここの待つ位置が難しいのですが、一度覚えてしまうと下はリーフなので、

地形が変わらない限り、恒久的に使用できるんですよ」

2010_Softsand_V7389

「で、セットが来ると」

「はい、セットが来ると、たいてい一本目を狙います。

これは一番ボイルが少ないので、テイクオフがしやすいんです」

「ボイルってよく聞くけど、なんだっけ?」

「リーフブレイクの海底は平らではなくて、へこんでいたり、穴があったり、

または洞窟みたいになっているので、ここにうねりが通ると、

そこから水が噴き出したり、吸い込んだりするんです。

それで波の斜面に凸凹をつけるんですよ。

波が大きいと、ボードが飛ばされてしまうほどかなりの凹凸となります」

「おーあれか、あれは怖えよな。

で、テイクオフするんだろうけど、注意するところを教えてくれよ」

「波が分厚いので、最初の押し出しで立ち上がらない、というところです」

「いつ立てばいいんだ?」

「最初の押されたのを基に全力でパドリングを続けます」

「おっ、それは競輪のアガキだね。よくわかるぞ」

「そのアガキ、ですか、それをしていると、

さらに加速する場所があるんです。

それが本チャンなので、そこから波の中に入っていくんですよ」

「掘れちゃっている?」

「そりゃあもう、もうテイクオフするときは下の斜面が見えなくなっていて、

飛び降りるような感覚ですよ。大丈夫だからと信じ込ませて体を止めないようにするんです」

「止めちゃったら?」

「墜落と同じです。ここまで行って止めちゃうと、リップの上ですから、

そのままリーフめがけて叩きつけられます」

「叩きつけられたら?」

「よっぽど運が良くないとヤバイですよ。ワイメア病院のERに行くことを覚悟してください」

「もしリーフにヒットしなかったら?」

「それはかなりの幸運というか強運なのですが、一度ここで巻かれてしまうと、

浅くてあまり動けずに潜れずに、次の波が来てしまうので、

結果は同じだと思いますよ。命が少し延びただけです」

「じゃあ、ケンシロウ(©北斗の拳)にやられたみたいになっちゃんだな」

「そうですね。夢枕獏さんの『天海の秘宝』みたいに未来から時空船でやってきて、

助けてもらう以外ありませんね」

「お前のはわからないんだよ。でもそれ週刊朝日だべ」

「そうです。でも先週完結しちゃったんですよ。寂しいです」

「あのよー、わかった。そこはそれだから空いているんだよ。お前そんな波でやっていたらいつか死ぬぞ」

「そうなんですよ。フレちゃんとも話すのですが、ここはライフガードもいませんし、

電話も通じない、だから大変なことがあると、トムクンズのライフガードがやって来るそうですが、

到着までに最低でも1時間はかかるから be carefulだといつも言われています」

「それはやべえよな。これを聞いたらWANGちゃんは二度とやりたいって言わないな」

「そうですね。これをブログに書いておきますよ」

「お前、こんなことブログに書いちゃだめだよ。

でも書いた方がいいよな。じゃあさ俺の名前ではなくて、友人Dさんとしておけよ」

「それじゃ先輩だってわかっちゃいますよ」

「おー、俺これから見積もりがあったんだ。じゃあなガシャリ」

と電話は切れたが、

先輩に冬のハワイの海の本当の状況を知らせたく、

こんな会話をしてみました。

野球に例えると、メジャーのピッチャー対イチローさんでしょうか?

指を離れてからたった0.4秒程度で自分に向かってくる時速160kmのあの硬いボール。

自分の頭に向かってこないとも限りません。

よしんばバットに当てたとしても、ボールは自分に跳ね返ってくるかもしれませんし、

前に飛んだとしても野手がそれを捕って送球するボールがぶつかってこないとも限りません。

顔とかに当たったらもう終わりです。

そんな恐怖と戦っているイチローさんは、

たった一本のヒットを積み重ねるために毎日打席に何度も立っているのです。

その上であの栄光があるんですね。

で、波乗りの相手は人ではなく、自然です。

セット波は2本かもしれませんし、10本、もしかしたらそれ以上かも?

と巻かれているときにいつも疑ってしまうのです。

または上がる前にもう一発喰らってしまうのかも?

と、疑心が生まれるのです。

でもそんな疑いを胸の奥にぐっとしまい、

目の前にやってくる山波と対峙していく、

というのは人生の危機にも似ていますよね。

俺は一度イナリーズで8発連発でインパクトを喰らってしまって、

体が全く動かなくなりました。

重くなり、感覚がない状態で、少しだけ顔を海面に出し息を吸っていましたが、

もし、ここであともう一本波が、

セットでない波が来ていたら喜んで水を吸ってそのまま永遠に沈んでいったことでしょう。

そんなむきだしの危険が波乗りには潜んでいます。

けれど、みなさんもご存じでしょうが、

沖までの色々を耐え、テイクオフをメイクして、

ものすごい斜面をいつまでも高速滑走する。

「視界全てに波の湾曲を入れ込み、

水の上で加速していく重力を自分だけの力で得る遊び」

というのは他には見あたりません。

誰かが「ナンバーワンよりオンリーワン」と言っていましたが、

波乗りこそがオンリーワンを体感できると自分では確信しています。

「寒くて、指がくっついてしまってボードを落としてしまったこと」

「昔のバリで足をざっくりと切ってしまって、たこ糸で縫われたこと」

「はじめてのハワイで、波に巻かれただけで靱帯を伸ばしたこと」

「その後2ヶ月ギブスをはめていたこと」

「そのハワイでの波乗りのために一日おきに1500m泳いでいたこと」

「パドリング練習になるからと、波のない海でパドリングしていたこと」

「波乗りを始めた頃、全くお金がなくて、慢性空腹となりながらも波乗りだけは全力でしていたこと」

「ダックダイブ100連発近くして、ヘリ下の向こうから羽伏浦まで流されながら沖にでたこと」

「波乗りが大好きで大好きだったこと」

そんな全てが結集して、今ここに俺は立って、

こんな美しい波で波乗りしているのだと思うと、

ちょっぴり誇らしく、そしてうれしく、夢のようです。

2010_Softsand_V7362

冬のハワイには挑んでくる波、

挑む波、そして挑ませない波と色々ありますが、

挑んでセッションを終えた後は新しい自分がいるようで、

見るもの、食べるものも、

全て美しく、飛び上がってしまうような気持ちなのです。

技術でもなんでもなく、無形の歓びが感覚になって心に宿るのでしょうね。

長くなってしまいましたが、

ここまで読んでくださって感謝しております。

いつか、きっと、

そしてすぐにみなさんにもそれぞれの美しい波がやってきますようにと願っております。


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